2018年8月4日土曜日

【アイルランド】レインボー・バスに乗ってプライド・パレードに向かう父親と子供たち

[画像]アイルランドの国旗
毎年6月はプライド月間とされていて、世界各地でパレードなどのイベントが行われます。多くの企業も限定商品を発売するなど、さまざまなキャンペーンを展開します。こうした企業の取り組みは「商業主義的」「LGBTを企業イメージに利用してる」などの批判もありますが、さすがアピールの仕方が上手いなと感心することも多いです。

アイルランドの首都ダブリンのバス会社「ダブリン・バス」は、社内のLGBTQ関連の取り組みが高く評価されている企業で、プライド・イベントにも以前から関わってきました。
6月に開催された「ダブリンLGBTQプライド」ではレインボーカラーのバスを走らせ、さらに、このバスを使った動画も制作しました。父親たちがパレード行きのバスに乗り込み、ゲイやトランスジェンダーの我が子をサプライズで迎えに行くという内容です。



動画の内容は大雑把に、こんな感じです。

運転手の男性
:私の名前はスティーブン。1982年からダブリン・バスで働いてます。これからプライド・パレードに行く人たちを迎えに行きます。このバスには誇りある父親たちが乗る予定です。

レインボー・サスペンダーの男性
:私がこんなシャツを着て座るなんて、以前ならありえなかった。サスペンダーなんて、もってのほかだよ!(笑)

黒いレインボーTシャツの男性
:おそらく私が行くようなイベントじゃないと思うけど、私たちはああいう着想を締め出すべきではないと思います。

運転手の男性
:息子は仰天すると思います。全く予期していないことだから。

父「おはよう、リアム!」

私はただ息子をハグすると思います。こうして話してるだけでも気持ちがこみ上げてきますね。

黒いレインボーTシャツの男性
:娘にとっては、みんなにゲイ[同性愛者]だと話してから初めてのプライドのお祭りなんです。

娘「お父さん!」
父「やあ、マヤ」
娘「今日は休みで出かけたと思ってたのに!」

これは、とても大切な一歩です。

レインボー・サスペンダーの男性
:ゲイの息子がいるっていうのは誰にとっても嬉しいものだろうけど、2人もいるなんてね!(笑) これを知ったらみんな感動すると思うよ(笑)

(緊張した様子で)「息子の家に除細動器[AED]があるといいけど。きっと、私に必要になるだろうから」

父親「おはよう、マイフレンド!」
息子「オーマイガー!」

:息子たちは驚くほど素晴らしい男たちだ。私は2人のことが大好きなんだ。

レインボーハットの男性
:8カ月前、娘はトランスになると言い、2カ月前、名前をマイケルに変えると言いました。これからは彼女は彼になります。

父親「やあ、マイケル!」
父親「ずっと言ってきたように、お前を誇りに思ってるし、応援してる。息子よ、一緒にプライドに行こう」
息子「ありがとう」
父親「どういたしまして」

声(黒いレインボーTシャツの男性?)
:思いのほか、楽しくなってきました。本当に楽しめたら来年もまた来るかもしれません(笑)

声(レインボー・サスペンダーの男性?)
:頭の上までプライドでいっぱいだ。こんなにたくさんの虹は見たことないよ!(笑)

声(不明)
:さあ、みんな、プライドに着いたぞ!

運転手の男性の声
:今朝、バスを運転してパレードに参加したのは最高でした。これ以上、望むことはありません。



今回の動画を見て思い出したのが、2017年のこの動画です。
アメリカの親たちが「LGBTQの子供を持つ親」として「カミングアウト」し、子供へのメッセージを伝えるという企画で、家族会のPFLAGと、ポストイットなどでおなじみの3M社がコラボしています。
「3Mは何の関係があるんだろう?」と思いながら見ていると、しっかり自社の接着テープが活用されます。
結局、そこにあるのは人の暮らしなので、どんな企業も(自社製品を宣伝しつつ)関われるものなんだなと思いました。


《参考》
ダブリン・バスは2017年にも違うデザインのレインボーバスを走らせています。
''Get on Board with Pride'': Dublin Bus celebrate Gay Pride this weekend | Buzz.ie

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