イギリスのウェブサイト「AZ Magazine」から匿名の母親のエッセイを取り上げます。
「AZ Magazine」は、非白人のLGBT+が中心となってつくられたサイトだそうです。
My Gay Son And Me | AZMagazine (2016)
この母親は、息子が12歳の時、将来の恋人について話すときは「ガールフレンド」ではなく「パートナー」という言葉を使おうと決めました。その時点では単なる用心にすぎなかったと言います。
2年半ほど経ち、私の美しい息子が寝室にやってきて、同性愛者に反感はあるかと臆することなく聞いてきた。いいえ、と答えると、自分はゲイだと言ってきた。
それは確かなのか、いつから分かってたのか尋ねた。彼は間違いなくゲイだと自信を持って答え、2年前から分かっていて、学校の友達もみんな知っているという。なかにはゲイだという理由で彼を怖がる子もいるが、息子には蛙の面に水で、面白がっているのだと話してくれた。私は教えてくれたことに礼を言い、すごく愛してると改めて伝えた。
息子のカミングアウトを歓迎したのは母親だけではありません。息子の祖母、3人のおじと1人のおば、9人のいとこも顔色ひとつ変えませんでした。また、息子の10歳年上の兄は、弟の相談役にとゲイの友人たちを紹介してくれました。
母親は息子と将来の恋愛についても話をして、親の思いを伝えています。
まだ彼氏は紹介されていないが、そのことについて話はした。私のメッセージはずっと変わらない。その恋人がちゃんとした人で、礼儀正しく、息子を大切にしてくれるなら、私は歓迎する。これは息子の兄に彼女ができた時に伝えたのと同じメッセージだ。私と一緒にゲイ・クラブに行ってくれるか息子に聞いたら、いいけど僕が18歳になってからね、だって!なんて可愛い子なの。私は冗談で「[彼氏として]おじいさんを家に連れてくるのはやめてね」みたいなことを言って彼をからかっている。彼は、そうなった時に私が息子に向ける表情や、起こりうる会話を想像して笑っている。
そして最後に、親御さんたちにこんなメッセージを残しています。
最初は、偶然にもゲイだった息子を持ったことを心配した。彼が生まれたその日からというもの、私は彼を守り、保護し、すぐそばで温め続けてきた。この先、否定的な状況から彼をどうやって守ればいいのだろう? ほんの一瞬、「なんで私なの?」という思いさえ頭をよぎり、すぐさま「別に私でもいいじゃない」と思い直した。
私からLGBTの子を持つ親御さんへのアドバイスはこうだ。お子さんの性のあり方は、あなたが口を出すようなことではない。お子さんが何かしたせいでも、何かをしなかったせいでもない。あなたはお子さんのそばで助言し、親の役目を果たし、導き、支え、愛してあげてほしい。そこから先は、子供たちの歩む道だ。