2017年5月1日月曜日

[Q&A]娘はピンクが好きなのに自分は男だと言うんです

文字画像「Q&A」
男性でも女性的とされる可愛いものを集めるのが好きな人はいますし、女性でも男性的とされるものを好む人はいます。成人の場合は本人の好みと納得されるようなことも、未成年の場合は混乱していると判断されがちです。
さらにトランスジェンダーとなると、より典型的な男性像/女性像を求められてしまうようです。
LGBTQの親向けサイト「My Kid Is Gay」から紹介します。
My Trans Son Still Likes Girly Things | My Kid Is Gay

質問

うちの16歳の子供がトランスジェンダーだと言い張るのですが、信じられません。私には娘が男の子には見えないんです。彼のベッドルームはピンクだし、人形やぬいぐるみのコレクションもあります。私たちは10代のトランスジェンダーのグループに参加していて、そこの子たちはみんな素晴らしいと思います。でもうちの子は男っぽい女性には見えるけれど、トランスジェンダーの男性には見えません。私たち親子はとても仲がいいし、非協力的な親にはなりたくありませんが、正直、理解できません。
※娘(daughter)、彼(he)の使い方は原文通り。

回答

回答者は活動家で『My Son Wears Heels』という著作もあるジュリー・ターニー(Julie Tarney)さん。彼女のゲイの息子さんは幼い頃、女の子のような格好をしたがったそうです(*)
*[体験談]ハロウィンに息子が女性キャラの仮装をしたいと言いだしたんです(当ブログ)

ジュリーさんは、お子さんにとってカミングアウトは大きな決断だっただろうと推測します。自分の心の奥底を探ることも、それを親に伝えるのも、大変な恐怖である場合があるからです。お子さんは親の愛情が揺るがないことを期待し、信頼して打ち明けたはず。それに対して信じられないと言うのは、子供の信頼に不信で応えることになってしまうと言います。
彼の性自認というのは、あなたにどう見えるかということではなく、彼が自分自身をどう見ているかということです。誰も他人のジェンダーを本人以上に知ることはできません。

そして、性自認がどうかということと、どんなものを好きになるかというのは、また別の話です。当然これはトランスジェンダーの人も同じです。
私たちはもう服やおもちゃ、色にはジェンダーがないと知っています。男の子がスカートを履いてお人形遊びをしてもいいし、女の子がベリーショートの髪でライトセーバーを振り回してもいいのです。

もし、男女にはそれぞれふさわしい振る舞いがあると考えていて、それが子供へのサポートにブレーキをかけているようなら、トランスジェンダーに関する本を読むなどして自分の価値観を見直してみてほしいとジュリーさんは言います。また、子供向けの支援グループだけでなく、親向けのグループでほかの親の話を聞くことも勧めています。

最後に、これはきっと同意してくれるはずです。「あなた以上にあなたを分かっている人はいない」。それと同じ理解を息子さんにまで拡げてください。彼は誰よりも自分のことを分かっているのだと信頼してあげるのです。たとえ彼の性自認が発展し続けたり、いずれ変化するとしてもーーそれは起こりうることですーーあなたにはどんなときも彼を信じてあげてほしいのです。彼の頭の中で何が起きているのか、あなたには完全に理解できないとしても、彼にとって最も意義深いことは、全ての瞬間にあなたの微笑みと抱擁、変わらぬ愛情、サポートがあることです。彼はあなたが思う以上にそれら全てを必要としているはずです。

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