そんななか、子供と一緒に映画を見た母親が育児サイト「babble」でレポートしています。
元記事の冒頭にも明記されていますが、「babble」はウォルト・ディズニー社傘下の育児サイトです。執筆者のジェニファーさんはフリーのジャーナリスト、ブロガーです。
以下、“同性愛シーン”やジョークのネタバレがあります。
アニメ版の大ファンだというジェニファーさんは今回の実写版も楽しみにしていて、公開された週末に6歳の娘さんと見に行きました。
今作では、登場人物のひとり、ル・フウがガストンにひそかに想いを寄せている設定らしいと話題になりました。その話を聞いてますます見たくなったと言います。
社会というのは多様なものだし、私は子供たちに自分とは違う人たちを意識し、受け入れてほしいと思っている。それにはまず子供たちに様々な人を見せることだ。映画やテレビ、本でもいいし、現実の世界でもいい。
映画にはもうひとつ、こんな場面もあるようです。
お城の家具たちが村人の襲撃に立ち向かうシーンで、洋服ダンスのキャラクターが村人を女装させて撃退する(?)コミカルな場面。これはアニメ版にもありましたが、今作ではひねりが加わり、女装させられて喜ぶ村人が登場するようです。
“ゲイ・モーメント”は、ほのかで、一瞬で、正直なところ笑えた。それでいてすごく力強くもあった。
上映中、ジェニファーさんは娘さんの様子を見守りながら映画を見ていました。
“ゲイ・モーメント”[*]がついに訪れた時、私は娘の顔を観察した。彼女はたじろぐことはなかった。観客の笑い声に合わせて少し微笑んだだけだ。質問もなし。混乱もなし。* ここではル・フウが男性とペアになって踊る姿が映るシーンのこと。
映画の後はいつものように車の中で感想を語り合い、その様子を動画でも撮影しました。
(その動画がこちら)
Discussing the Beauty and the Beast 'Gay Moment' with my 6-year-old | YouTube
「最高だった! 新しいお気に入りの映画!」
という娘さんの一番のお気に入りは、最後にお城のみんなが人間になって踊るところだそうです。そして面白かった場面として挙げたのが洋服ダンスの女装シーン。
「ドレスが好きな男の子だなんて、すごく変[weird]なの!」
私は一瞬ためらった。しかし、今が違いについて話すチャンスだと考えた。男の子のなかにはドレス[ワンピース]を着るのが好きな子もいること、文化によってはそれが普通ですらあること。だから自分たちとは違うというだけで変だなどと言うべきではないということ。
彼女は次にル・フウが男性と踊っていた場面を挙げたが、2人が一緒に踊っていたのが面白かった[funny]と言っただけで、すぐに自分の『美女と野獣』風ヘアスタイルの話を始めた。
ね? たいしたことないでしょ。
ジェニファーさんは、あくまでこれはディズニー映画、子供たちが戸惑うような過剰に性的な要素などない、と断言します。
上記のような短い場面も、ジェニファーさんは愛情や受容について話し合うきっかけにしましたが、話題にしたくなければ何も言わずにやり過ごせるくらい目立たない表現におさまっているそうです。
《関連》
ジェニファーさんのブログから映画全体のレビュー。“同性愛シーン”がもう少し詳しく解説されている。大人なら行間を読める程度とのこと。
EVERYTHING YOU NEED TO KNOW ABOUT TAKING YOUR KIDS TO SEE BEAUTY AND THE BEAST |cherish365
《余談》
監督のビル・コンドン、作詞のハワード・アシュマン、ガストン役のルーク・エヴァンス、コグスワース役のイアン・マッケランは皆ゲイですし、ル・フウ役のジョシュ・ギャッドにはゲイのお兄さんがいます。
《ブログ内関連ページ》
・[Q&A]6歳の子供に同性愛について質問されました。どう説明したらいいですか?
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