2016年1月26日火曜日

[Q&A]子供が同性愛者を変だと言うようになり困っています

文字画像「Q&A」
自分の子供には、出自の違いや病気などに基づく差別をしない子になってほしい、と考える親は珍しくないと思います。近年、性的少数者もそのリストに加わるようになってきました。
教育情報サイト「Education.com」の相談コーナーから紹介します。
相談内容は子供のいる同性カップル家族についてですが、もっと幅広く参考になる点があるのではないかと思います。
How do I explain gay marriage to my first grader? |Education.com (2009)

相談内容

相談者はカリフォルニア州で6歳の女の子を育てている匿名の母親です。この相談が公開された半年ほど前、カリフォルニア州では「提案8号(Prop 8)」が可決され、いったんは可能となっていた同性同士の結婚が禁止されました。当時、議論や論争は日常的な光景だったようです。

相談者の娘さんはプリスクール(保育園〜幼稚園)の頃から同性カップルの親がいる子供たちと一緒に遊び、同性同士の結婚式も目にしてきました。
当時はただ『お母さんが2人いるおうちやお父さんが2人いるおうちもあって、それは別に問題ない。うちとは違うけど、あの人たちも子供たちも大丈夫』だと説明していました。

お子さんからは特に質問もなく、気になるような発言もありませんでしたが、大きくなり、次第に同性カップルの親について否定的なことを口にするようになってきたそうです。
「変なの。」
「私にはママとパパがいるのに、あの子たちにはいない!」
以前していたような説明も効果がありません。発言がこのままエスカレートしていき、同性愛者や彼らの子供を傷つけるようになったらどうしよう、とお母さんは心配しています。
娘に理解できるような易しい言葉で、もっと言えば、多様性に対する寛容さを養うようなかたちで、このことを説明するいいアイデアはないでしょうか。

回答

答えているのはアメリカ・カリフォルニア州の児童心理学者、ローラ・カウフマン(Laura Kauffman)さんです。

カウフマンさんは、これはこの先何年にもわたって繰り返し話し合うことになるテーマなので、今すぐに「解決」しようとしなくていいと言います。
今の段階でのあなたの役目は、他人に対する敬意と寛容の大切さを娘さんが理解できるよう手助けすることです。議論の末に娘さんがどちら側に立つことになろうとも、です。

まずは、家や車の中などのゆっくり話せる環境で、お子さんの考えに耳を傾けるよう提案しています。
「最近、2人のママや2人のパパがいるおうちを変だって言ってるけど、もう少し詳しく話してくれない?」
会話の最初の段階はまず話を聞いて、娘さんの視点を理解するよう心がけてください。
そして、一度お子さんの考えを受け止めてから親の考えを伝えます。
「あなたがそんなふうに思っているのは分かった。でもママが思ってることも知って欲しいの。ママはね…(あなたの意見)」
親が自分の考えを話し、人はそれぞれ違う意見を持っていると説明することで、この議論を理解するための基礎がお子さんの中に築かれていくのだと言います。

ただし、このテーマは大人にとっても完全に理解するのが難しいものなので、親の話が全て理解できなくてもいいと安心させ、お子さんを追い込まないようにしようとも言っています。
大切なのは他者を尊重するという点です。
何よりも娘さんに知らせてほしいのは、この議論についての彼女の意見がどうあれ、人を尊重することが大切だということです。「変なの」といった発言は胸にしまっておくよう促してください。彼女だって友達から、ハヌカーやクリスマスや何かを祝わないなんて「変だ」と言われたらきっと嫌でしょう。人の気持ちは傷つくものですから、思いやりの心を持っていたいですね。

《関連資料》
【資料】LGBTのことを子どもたちに教育する際の指針 |臨床の話
子どもと「人種」について語ろう |ライフハッカー

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