2019年4月13日土曜日

サリー・フィールドがゲイの息子とともに差別禁止法案の支持を呼びかける

アメリカの国旗の画像
アメリカではLGBTQの人々に対する差別禁止法がない州が30州あり、これは、アメリカ人LGBTQの約50%が仕事や住居を失うリスクを抱えて暮らしていることになるそうです。実際に、ゲイだと分かった途端に解雇されたというような話もよく聞きます。こうした差別を全米で禁止するための法案が3月に下院議会に提出されました。
《参考》
成立なるか? アメリカでLGBTQの権利を守る法案が提出される|ELLE
LGBTQの完全な平等の達成を目指し、雇用や教育機会などにおけるLGBTQ差別を禁止する連邦法案が米国会に提出されました|アウト・ジャパン

アメリカ最大のLGBTQ人権団体ヒューマン・ライツ・キャンペーンはこの法案を支持するキャンペーンを開始し、女優のサリー・フィールドとゲイの息子のサムが出演する動画を制作しました。
約3分。英語音声。YouTubeの字幕設定で英語字幕を表示できます。


動画では2人がビデオチャットで今回の法案の重要性について語り合っていますが、ここでは親子関係にまつわる部分をいくつか抜き出してみます。
サリー:サムの旅路は兄たちのものとは違っていました。彼が自然が意図したとおりの人物になれるまでを、私はすぐそばで見届けてきました。でも、彼には楽な道のりではありませんでした。彼は兄たちのようになりたがっていましたが、自然が彼に与えたギフトは兄たちとは違うものでした。

サムは、自分は家族に恵まれただけでなく、差別禁止法のあるロサンゼルスで育ったおかげで、ゲイだという理由で何かを拒否される心配はなかったと話します。しかしサリーは、ゲイに対する社会の偏見が息子の人生の幅を狭めていたと感じています。
サリー:当時の社会はまだ、あなたはスポーツキャスターになれないと言い続けていた。
サム :確かに。
サリー:あなたの夢の職業だったのに。あなたにできない理由などなかった。やりたければ今からだってできるのよ。

2人は、今回の法案を成立させることには法律以上の意義があると話します。政府が平等な扱いをすることで、LGBTQの人々は他の人に劣る存在ではないというメッセージを社会全体に(特にLGBTQの子供たちに)送ることになるからです。

サリー:私が元気なうちは闘い続けます。サムやみなさんの子供たち、孫たち、兄弟姉妹たちがアメリカの全ての州で守られるまで。

サム :それじゃ、またね。
サリー:OK。愛してる。
サム :愛してるよ。
サリー:ねえ、私たちもっと頻繁にビデオチャットしたほうがいいと思う。
サム :そうは思わないね。一回で十分だよ。
サリー:(笑)

《関連》
動画の監督は、映画『ミルク』の脚本家のダスティン・ランス・ブラックと、有名テレビドラマを数多く監督しているパリス・バークレイです(2人ともゲイ)。このキャンペーン動画はシリーズ化され、アダム・リッポンやジェーン・リンチなどの著名人が出演する予定だそうです。
HRC Partners With Dustin Lance Black and Paris Barclay on “Americans for the Equality Act” Campaign | Human Rights Campaign

こちらの記事ではサムにインタビューしていて、今回のキャンペーンや母との関係などを話しています。昔はスポーツキャスターになりたかったけれど、(男らしさが求められる世界で)自分の声はフェミニン過ぎたと語っています。
母親の映画で好きなのは、“ゲイ・コミュニティ以外では過小評価されている”『ソープディッシュ』だそうです。
Sally Field’s Son Talks the Equality Act and Coming Out to His Mom | Out Magazine

《ブログ内関連ページ》
ここでもサリー・フィールドとサムのエピソードに少し触れています。
カミングアウト後に待ち受ける鬱陶しくて愛おしい親の愛情