2019年3月24日日曜日

インド・ムンバイのプライド・パレードに集まる子供たち

インド国旗の画像
先日、インドのムンバイでプライド・イベント[*1]「Queer Azaadi Mumbai Pride」が開催されました。ムンバイのプライド・イベントの規模はインド最大で、今回は2018年の年末から2カ月にわたって27のイベントが行われました。今回は特に、同性間の性行為が合法となって[*2]から初めてのイベントということで、記念すべき年になったようです。
*1. パレードに代表されるような性的少数者のイベント。
*2. 同性間の性行為禁じる法律は違憲無効、インド最高裁が画期的判断|AFPBB News


2月2日、メインイベントのパレードには1万5000人を超える人が集まったそうです[*3]
このパレードを報じる記事のなかで、インドの英字新聞「ヒンドゥスタン・タイムズ」が、パレードに参加する幼い子供たち、というユニークな視点の記事を載せていたので紹介します。パレードの説明などはなく、何組かの親子の写真とコメントが載っているだけのシンプルな記事です。
*3. パレード自体の参加者数なのか、周囲の人も含むのかは不明。

Children show a large heart at Mumbai’s pride parade | Hindustan Times (2019年)
(ムンバイのプライド・パレードで広い心を見せる子供たち)

37歳の企業幹部の女性、Sonam Thakurは、9歳の息子を連れてパレードに参加しました。
「私がドラァグクイーンのショーや異性装の番組を見ていると、息子も一緒に見ています。それに、この[LGBTの]コミュニティに友達もいるので、息子が差別しないことを学ぶよう教えるのは私の責任なんです」

在ムンバイ カナダ総領事館で上級貿易官を務めるTara Scheurwaterは、13歳と10歳の2人の娘を連れて参加しました。
「この子たちに、誰もが平等でみんなを愛するべきだと教えるのは大切なことです。そうすれば、それが友達を感化し、そこからさらに影響が広がって、友達がカミングアウトした時にみんながサポートできます」

4歳のTanvi Vikas Salveは、ゲイで振付師のおじのWilsonを支持するために来ていました。Wilsonが姪を連れてきた理由を語っています。
「これは姪がこの話題について気楽な気持ちでいられるようにする方法なんです。もっと多くの親が、それに学校も、子供をプライドマーチに連れてくればいいと思います」

パレードにはゲイの芸能人も参加していました。モデルでメイクアップアーティストのFaizyBoo(Faizal Khan)は、2018年にインドのリアリティ番組『Ace Of Space』に出演して有名になった人だそうです。
パレードの中に彼を見つけて飛び入り参加したのは、13歳のSanskarとMohitの兄弟です。
「僕たちはFaizyBooに会いに走っていって、そのまま他の人たちと一緒にずっと歩きました。ママも一緒に。FaizyBooは番組でずっと見てたから会えて興奮した!」とSanskarは語った。

記事の最後は、ある母親のコメントで締めくくられています。「息子と一緒に来ていた母親」ということしか分かりません。
「私たちは、適切な結婚の法律や、子供たちを職場での差別から守る政策を必要としています。こうした問題に不安にもなりますが、子供たちの力になるために強くあらねばなりません」

おまけ
パレードを紹介するニュース映像。高速のドラムがすごいので音量に注意してください。

もうひとつ、イベント期間中に行われたフラッシュモブです。
ムンバイのLGBTQ団体「Humsafar Trust」内のユース・サポート・グループ「Yaariyan」が毎年行っているそうです。今回取り上げた記事とは関係ありませんが、インドっぽくて楽しいので載せてみました。
最後の方で「I am gay!」「That's OK!」「I am a lesbian!」「That's OK!」「I am hijra!」「That's OK!」といったコール・アンド・レスポンスも聞こえてきます。

ブログ内関記事
【インド】パレードを歩く親子たちと伝統的な結婚