2018年12月22日土曜日

台湾・息子を励ますため、父は冬の山でレインボーフラッグを掲げる

台湾国旗の画像
11月24日、台湾で公民投票が行われ、婚姻の平等を始めとするLGBT関連の提案5件は全て反対派の支持が多数となりました。
この結果にショックを受けた人も多かったようです。立法委員(日本の国会議員に相当)の尤美女が11月30日に語ったところによると、投票結果が出てから、9人の同性愛者の自殺、2件の自殺未遂、23件のいじめの報告があったそうです。
《参考》
台湾で「同性婚が否決」はどこまで本当か?|BuzzFeed
影/尤美女:公投後據通報已有9位同志自殺身亡、23件霸凌|ETtoday

一方で、心温まる話題もありました。
12月1日、ゲイの(?)青年がフェイスブックとインスタグラムに投稿した画像が話題となり、ニュースサイトでも報じられました。
jeffrey19651101|Instagram
陳建廷|Facebook

投稿者の陳さんによると、投票日の夜は結果を知りひどく落ち込んだそうです。父親からの慰めの言葉にも気持ちは収まらず、涙ながらに家を飛び出し、LINEで、「父さんは僕じゃない。この社会が与える痛みや理解のなさなんて永遠に分からない。なぜ僕たちみたいな存在の息の根を止めようとするのか。一体何が悪いんだ!」とあたってしまいます。

それから1週間、両親とは「冷戦」状態になってしまいます。30日に父から雪山(せつざん。台湾の山)に登ってくると連絡があった時も、気のない返事しかしませんでした。
その後、突然、父から送られてきたのが、雪山東峰(3201m)でレインボーフラッグを掲げる父の画像でした。
陳さんは、言葉少なな父が自分へのサポートを行動で示してくれたことに感動し、画像と共に父への感謝を書いています。
「行動で僕を支持してくれてありがとうございます。すごく感動した。こんな社会でも、少なくとも僕はまだ幸せな方だ!父さんが大好きです(ハート)」

(中国語が分からないのでちゃんと読み取れなかったんですが、陳さんは親にカミングアウトしていなかったのでしょうか?)

「三立新聞」の取材によると、両親は8年前は同性愛者の存在を全く受け入れておらず、陳さんは今回の投票結果を受けて、「これから家族とは別の道を歩むことになる」とまで考えていました。そのため、父親の行動はとても意外なものだったそうです。
陳さんは「今回の公民投票は私たちの社会を引き裂いたけれど、私の父の愛情で多くの人に温かい気持ちになってほしい」と語っています。
同婚公投沒過!暖爸雪山頂揮彩虹旗支持 兒淚崩:我很幸福|三立新聞網

《参考》
逼哭兒子啦!公投沒過同志傷痛 暖心爸登雪山頂揮彩虹旗支持!|蘋果日報
影/公投沒過他心累離家7天 木訥爸「登雪山揮彩虹旗」打氣|ETtoday


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