台湾も日本と同じように、同性婚に関する世代間の意識ギャップが大きく(*)、上の世代ほど抵抗を感じる人が多くなるようなので、こういう動画は貴重かもしれません。
* 同性愛への寛容度でわかる日本の世代間分裂|ニューズウィーク日本版(2015)
これは、婚姻の平等を目指すグループ「婚姻平權大平台」が制作(?)した「愛教會我們的事」(愛が私たちに教えてくれたこと)シリーズの1本です。異性と結婚した人たちにインタビューし、その人の結婚観や同性婚について尋ねるという企画のようです。
英語字幕をもとに、簡単に訳してみました。
「愛教會我們的事__春桃阿嬤篇」
2018年
中国語と英語字幕
約1分30秒
春桃:私の名前は春桃です。人からは許おばさんと呼ばれています。
インタビュアー:[孫娘の]小柔が男性を好きじゃないと知ったのはいつですか?
春桃:彼女がまだ小さい頃、色々なことを覚えだした頃です。3歳か4歳の頃には女の子の服を着なくなりました。もう少し大きくなると、結婚はしないと言うようになりました。
小柔:私が[パートナーの]涵と結婚するって言ったら賛成してくれる?
春桃:もちろん! あの子はいい子だし、何をするのも上手。あなた以上にいい子だよ。
(ベンチのシーン。春桃の友人?「おばあちゃんを綺麗に撮ってあげて!」)
インタビュアー:女性同士が結婚することに懸念はありますか?
春桃:いいえ。2人が一緒にいて幸せなら、私はとても嬉しいです。私はこのことに反対していません。近頃は、必ずしも男性と結婚すればいいというものでもありませんし。みんな簡単に離婚しますしね。女性同士が一緒になってもいいし、男性同士が一緒になってもいい。2人がうまくいって、心をひとつにしているならいいんです。結婚ってそういうものでしょ? それ以外に何があるの? 大切なのは、2人が調和し幸福に暮らすことだけです。
(字幕)おばあちゃんの孫娘の小柔は今年37歳。小柔と彼女の結婚式には必ず行くとおばあちゃんは言う。
同団体の関連サイトでは、春桃さんの背景をもう少し伝えています。
16歳の時に親同士が決めた相手と婚約し、19歳で結婚。夫とは仲がよく、ケンカは一度もないそうです。子供は4人。最近、第5世代の赤ちゃんが生まれて家族は50人を超えました。
70多年從未吵過架,93歲春桃阿嬤的婚姻小撇步|婚姻平權大平台
動画の最後のメッセージは、11月24日に行われる国民投票で「こちらに投票して」と呼びかけるものです。
10件ある国民投票のうち、同性婚の賛否を問う投票が2件、学校で同性愛などについて教えることの賛否を問う投票が2件、それぞれ賛成派と反対派から出されています。そしてもう1件、同性婚の代わりにパートナーシップ法を求める投票が同性婚反対派から出されています。
《参考》
・台湾の同性婚めぐり割れる世論 住民投票に注目集まる|朝日新聞GLOBE+
・婚姻平權大平台
《ブログ内関連ページ》
台湾・80歳の夫婦が語るゲイの息子と孫、同性婚