2018年5月12日土曜日

上海でLGBT家族会の代表を務める母親へのインタビュー

[画像]中国国旗
6年ほど前の記事ですが、シティガイド・サイト「Time Out」の上海版に、中国のLGBT家族会に取材したものがありました。そこから代表を務める女性のインタビュー部分を紹介します。
Spotlight: PFLAG | Time Out Shanghai (2012)
追記 2020.01.11:記事が削除されたようです。

「同性恋親友会/PFLAG China」は2008年に広東省広州市で設立され、現在は中国各地に支部があります。記事では上海支部代表の「梅姐」さんにインタビューしています。
彼女は2006年に息子からゲイだと告げられました。
「頭が真っ白になりました。なんと言っていいか分かりませんでした」
彼女はオンラインチャットの最中に息子からカミングアウトされた時のことを振り返りながら語る。
「ゲイという言葉と愛する息子とを結びつけたことがありませんでした。カミングアウトされた時は、私か息子のどちらかに問題があるに違いないと思いました」

梅姐さんはその後、家族会との出会いもあり、ほかの家族のために活動するようになります。インタビュー当時は毎週2時間、3〜5件の電話相談に応じ、同性愛者や親たちからの悩みを聞いていました。LGBT関連グループの集会で話をすることもあり、若者たちからも慕われているそうです。
「困惑した同性愛の子たちとたくさん出会ってきました。彼らは親とどう話し合えばいいか分からないんです。たいていは、親の新しい物事を受け入れる能力を過小評価しています。私はそういう人たちの力になりたかったんです」

若者たちには、カミングアウトする前に日頃から親とコミュニケーションをとって、充実した親子の時間を過ごすようアドバイスしています。また、同性愛関連のニュースを話題にしたり映画を見せたりして、同性愛についてさりげなく教育することも勧めています。
梅姐によると、中国の親は3種類に分類できるという。「独裁者」「友人」「親バカ」だ。
「親が独裁者タイプの子には、経済的に自立していないうちはカミングアウトは勧めません。友達のような親には腰を据えて話すことをお勧めします。子供を甘やかす親の場合、同性愛者について親を教育してからカミングアウトするのが一番だと思います」
しかし、親はこういう人だと簡単に決めつけてしまうのもよくありません。
「なかには『うちの親は昔かたぎで保守的なんです』という子たちがいます。でも彼らは親と話もせずにレッテルを貼り付けているんです。子供はまず親と会話をするべきです」

インタビュー当時は電話相談の約20パーセントが親からの電話でした。梅姐さんは、親たちが同性愛という概念に当惑しながらも奮闘する姿に胸を打たれると語っています。
「ある父親が電話をかけてきて1時間ほど話しました。彼は最後には事実を受け入れ、ゲイの息子のために何ができるだろうかと聞いてきました。その質問に涙が出るほど感動しました。彼には、何があろうと息子さんを愛していることを本人に伝えるよう提案しました。」

梅姐さんは他にも、親たちと共同で反差別法の制定を求める意見書を作成し、政府に提出したりもしています。政府から反応はありませんが、それでも中国の未来に希望を抱いています。
彼女は、息子がゲイだということを友人や同僚にオープンに話すのがこの上ない喜びだという。
「最初はびっくりしていますが、遅かれ早かれ受け入れてくれるんです」と明るく語る。
「中国の人はますます偏見がなくなってきています」


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