ピュー・リサーチ・センターの2014年の調査によると、アメリカの18歳未満の子供のうち、「伝統的な家族」(ここでは初婚同士の男女夫婦)のもとで暮らしている子は46%と半数を割るのだそうです。
Less than half of U.S. kids today live in a ‘traditional’ family | Pew Research Center
それ以外の家庭では母の日や父の日をどんなふうに迎えるのでしょうか。今回はゲイの父親たちの家庭での祝い方を紹介します。
一児の父親であるブレント・アーモンドさんは、24組のゲイのパパたちに母の日の過ごし方を聞き、自身の育児ブログ「Designer Daddy」に掲載しました。その一部を紹介します。なお、正確な翻訳でないことをご了承ください。
Do Gay Dads Celebrate Mother's Day? |Designer Daddy (2014)
オハイオ州のクリスチャンさん
うちの母の日は最高ですよ。うちでは私の[母親的な]役割と、私たちの母親と、女性全般をたたえます。最初の頃はそんなふうではありませんでした。私が気まずく感じていたせいです。でも最初の5年が過ぎて、母の日というのは特別なやり方で愛を与える日だと気づきました。
残念ながら私たちの住む地域は家族の形にあまり多様性がありません。ここでは母の日は大きなイベントで、うちの子たちも楽しみにしています。私も今では母親役を喜んで受け入れていて、これは子供の成長に伴って変化していく肩書に過ぎないのだと理解しています。
子供たちはうちが他の家族と違うことは分かっていますが、それでもとにかくお祝いしたいんですね。彼らはとっても優しくて、自分たちが受けている愛情を称えたいと思ってくれています。
父の日はさらに神聖な日なんですけどね。父の日は私のパートナーに感謝し、私たち家族のユニークさを祝う日です。
ニューヨーク州のジェリーさん
母の日はお祝いしませんが、私たちには出産代理人と卵子提供者がいて、家族の一員だと考えています。そこで彼女たちに感謝し、称えるため、母の日の前日に「出産代理人と卵子提供者の日」をつくりました。ですから、うちの子たちにも祝う相手がいますし、学校などでカードを作る相手もいます。さらに母の日の前日にすることで、出産代理人と卵子提供者は母の日当日をそれぞれの家族と過ごせます。つまり、彼女たちは週末の間ずっと甘やかされるわけですね。
ペンシルベニア州のメモさん
私は男手一つで子供たちを育ててきたシングル・ゲイ・ファーザーです。子供たちはいつも美しいプレゼントとたくさんのバラで母の日を祝ってくれます。私のことをあるがまま受け入れてくれていると知るのはとても感動的です。彼らは今26歳、24歳、20歳、17歳。心から愛しています。
デラウェア州のキースさん
子供たちのおばあちゃんが亡くなるまでは彼女をお祝いしていました。学校の先生はいつも母の日の工作を2人の父親にも対応してくれます。私たちは「親の日」と呼んでいますし、私たちが通う教会では「保護者の日」と呼んでいます。
メリーランド州のブラッド&ブラッドさん
我が家では母の日は年々大きな祝日になってきています。2人の子供にはそれぞれ別の生みの母親がいますし、ほかの人もお祝いするので、今は特別な女性が5人います。
私たち自身の母親は2人とも別の州に住んでいるのでカードとプレゼントを郵送します(私の祖母にも)。
子供たちの母親には子供が作ったカードを送り、電話をかけます。デイケアの先生には、母の日の工作の時間にうちの子たちを外さないよういつも念を押しています。生みの母親に送りますからね。
上の子にはこの日を使って養子縁組のことと彼の母親がどんな人か教えていくつもりです。この日に自分たちを祝うことはしません。父の日に2倍お祝いします!
ニュージャージー州のダグ&マットさん
去年、息子の学校で行われた母の日のイベント「スパの日」に行きました。私が現れると息子はとても喜んでくれました。飛び跳ねて、私の手をつかんでネイルサロン・コーナーに連れて行き、きれいなピンクのマニキュアを塗ってくれました。不安に思っていたのは私だけ。本当に行ってよかったです。
インディアナ州のジム&ロビーさん
去年は娘のライリーが学校で作ったカードを養子縁組エージェンシーに送りファイルしてもらいました。生みの母親がエージェンシーに連絡してくるかもしれないので念のために。ライリーは母親に花もあげたがったので、代わりに何か植物を植えようと苗木を買いに行きました。娘は葉っぱがハートの形をしているからとハナズオウを選びました。
テネシー州のブライアンさん
うちの子の人生に影響を与えている、子供のいない女性に花を贈っています。6人くらいでしょうか。みんないつも泣いちゃうんです。
JDさん
息子たちは里親制度から養子にした子で、母親は児童虐待と育児放棄をしていました。息子たちは誰も母親を祝おうとはしませんし、私たちも無理強いはしません。私とパートナーにも私たちの生活に関わる母親はいません。子供たちには素晴らしいおばがいますが、母親役を担っているというわけでもありません。ですから、母の日はいつもの日曜と同じように家族一緒に過ごして祝います。
ミネソタ州のピーター&ジェイさん
うちでは生みの母親について話し、彼女に電話をかけ、息子の人生に関わる他の素晴らしい女性たちについて話します。
一番大変なのは学校の母の日まわりの企画でしょうか。息子はちょっと仲間はずれになったように感じています。
テキサス州のアンディ&ブライアンさん
私たちは母の日が大好きです。この世に加わる手助けをしてくれた母親が私たちみんなにいることをお祝いします。たとえ育ての親ではなかったとしても、産んでくれたこと自体感謝すべきことです。どのみち完璧な母親がいる人なんていないでしょ?
母の日というのはその女性がどんな人ではなかったかを気に病む日ではなく、どんな人か(人だったか)をお祝いする日です。それが象徴的な存在でしかなかったとしても。
それと、うちではおばあちゃんたちやおばさんたちのこともお祝いします。
オハイオ州のマークさん
娘を買い物に連れていきます。
メリーランド州のブレント・アーモンド(ブログ主)&ニックさん
たいてい母の日は、わりと近くに住んでいる[子供にとっての]祖父母と一緒に過ごすので、おばあちゃんは息子や義理の息子、孫たちからたくさんの愛と贈りものを受けとります。
おじいちゃんは牧師なので教会にも行きます。そこでは保育園や日曜学校の女性たちがいつも面倒を見てくれ、他の子たちが母親へのプレゼントを作っている間、息子にはおばあちゃんにあげるカードや何かを作らせてくれます。
その後、イタリアに住む義理の母に長距離電話かスカイプで母の日おめでとうコールをします。孫の顔を見て話せるのをいつもとても喜んでいます!
息子が大きくなったら生みの母親も加える必要があるかもしれませんが、それは彼次第です。
大切なのは、自分は愛され大事にされているのだと彼自身がわかっていること、そして、その感謝の気持ちを好きなように表現する自由があるということです。その日が何の日でもいいんです。おばあちゃんたちの日でも、生みの母の日でも、父親たちの日でも。
《ブログ内関連ページ》
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