「The Asian Pride Project」では、アジア特有の文化や家族観に着目し、アジア系LGBTQを支援するには家族全体をサポートする必要がある、という方針で活動しています。
以下のページで動画と会話の書き起こし(英語と韓国語)が見られます。
Elena & Grandma | Asian Pride Project (2011)
エレナ:おばあちゃん、将来私にどうなって欲しい?
おばあちゃん:いい旦那さんと出会って子供を産んで、健康に暮らしてくれたらよかったね。私たちはあなたをこの国で育てるために韓国から移ってきたんだよ。私はあなたが偉いリーダーになって、立派なことをしてくれるだろうと信じたの。だって、あなたはアメリカで生まれたんだから。
エレナさんとっておばあちゃんは小さい頃から特別な存在で、料理をつくるおばあちゃんのそばでニンニクの皮むきやソース作りといった手伝いをしていました
おばあちゃん:私の後をついて回って、私がすることをなんでも真似てたよ。あなたは幼い頃からとても利口な子だった。とても賢くてなんでもできる女性だった。人付き合いも上手だったから私はとってもハッピーだった。いつか旦那さんにも優しくしてくれると本当によかったけれど。でも、あなたは男の人が好きじゃないようだから…私にできることは何もないね。
エレナさんによると、母親にカミングアウトした時はあまり好意的な反応は得られず、お父さんには内緒にするよう言われたそうです。現在は父親も受け入れてくれています。
エレナ:父ががらっと変わったのは、2〜3年前に私が親友の一人を亡くした時でした。彼女も韓国人のクィア[性的に非主流であること]で、家庭内で非常に困難な状況に対処していました。告別式には父も一緒に行ってくれました。父は私を見て「お前の友達がこんなふうに亡くなって父さんも本当に悲しい」と言いました。それから、こんなことはひどくゾッとする、なにがあろうと私は父の娘だから私を失うなんて考えられない、と言いました。
おばあちゃん:[女性を好きになるなんて]最初はとても奇妙なことだと思いました。でも、ガールフレンドを持つにしても、相手はちゃんとした経歴の人であってほしい。教育を受け、社会の中でしっかり働き、心身ともに健康な人。そういう人とデートするならいいだろうね。あなたが幸せなら、おばあちゃんも受け入れなくちゃね。だってあなたの自由なんだから。
おばあちゃんはクリスマス休暇にエレナさんの恋人と会いました。彼女からのプレゼントをとても喜んだそうです。
おばあちゃん:彼女のような人とデートするならいいと思うよ。アメリカ人だけど、とても聡明だし、性格もいい。彼女のような人ならいいね。
愛しているよ。もちろん愛してる。あなたには本当に元気でいてほしい。そうすれば私も天国に行けるよ。
《参考リンク》
アジア・太平洋諸島系アメリカ人のLGBTQを支援するNPOのウェブサイト
The National Queer Asian Pacific Islander Alliance (NQAPIA)