2019年8月8日木曜日

[Q&A]娘の同性パートナーと初めて会うのですが、うまくいくか心配です

文字画像「Q&A」
子供がゲイやレズビアン、バイセクシュアルだということを受け入れられても、子供の同性の恋人と会うというのはまた別の戸惑いがあるようです。「話を聞いているぶんには平気だったけど、目の当たりにするとやはりショック」という人や、逆に「恋人と一緒の姿を見ていて、子供のことをようやく受け入れられた」という人もいます。

今回は、性的マイノリティの子を持つ親向けサイト「My Kid Is Gay」から、匿名の女性の相談を紹介します。
I'm Nervous to Meet My Daughter's Girlfriend | My Kid Is Gay (2018)

質問
今、ちょっとパニックになっていて助けが必要です。来週、娘がガールフレンドを連れて帰省します。私は承諾し、その子と会いたいと言いましたが(娘がカミングアウトしてから交際相手と会うのは初めてです)、急に緊張してきました! 何か間違ったことを言ったらどうしよう? 気まずくなったら? 夫は相手と会うことにあまり乗り気ではなく、それもどうなることか不安要素でしかありません。助けて!

回答
回答はポリー・キムさんとシェルビーさん母娘の連名で書かれています。ポリーさんはカリフォルニア州の科学教師で、22歳(記事掲載時)のシェルビーさんは15歳の時にLGBTQの一員だとカミングアウトしました。

二人は、娘が親に恋人を紹介したいと思うのは良い兆候だといいます。おそらく娘は親と恋人の両方を信頼していて、引き合わせても大丈夫だと思うからこそ会わせようとするのだろうし、質問者が考えるような心配はしていないだろうと推測します。

また、子供の恋人と会うことで親が緊張するのは当然なので、あまり気にしなくていいといいます。
あなたが緊張しているのは、お嬢さんの大切な人と初めて会うからでしょうか、それとも、その大切な人が女性だからでしょうか? 相手の性別にかかわらず、子供が大切な人を家に連れてくるというのは緊張するものです。相手はお子さんの人生において重要な人ですから会うのは胸が高鳴りますし、いい印象も残したいですよね。少し緊張しているのは普通のことですし、それは、あなたがこの機会をとても大切にしていて、お子さんの恋愛を応援したい、台無しにしたくない、と思っているからこそです。

緊張の理由が、子供の性的指向を受け入れ切れていないからだとしても問題ありません。それもまた普通のことだからです。家族会や親向けのサイト、本などからサポートを得るよう提案しています。
お嬢さんがカミングアウトして間もない場合、ガールフレンドがいることに落ち着いていられないのは普通です。お子さんが性的マイノリティであることが全く平気であっても、ガールフレンドがいると知り、間もなくその子と会うとなれば、今まで以上に「現実味」が帯び、まだ向き合っていない気持ちが湧いてくるかもしれません。

子供の恋人と過ごす時間を良いものにするには、夫や娘との事前の打ち合わせが重要なようです。ポリーさん親子の提案を箇条書きにしてみます。

夫婦で話し合う
  • 夫の言動に不安があるなら、役立ちそうな情報を共有したり、夫の気持ちに耳を傾けて本心を知っておく。
  • 夫がどうしても乗り気でないようなら、少なくとも否定的な言動はとらないよう取り決めておく。
  • 寝室の割り当て(同じ部屋で休ませるかどうか)も決め、子供にも事前に伝え、恋人の前で言い争いにならないようにする。

親子で話し合う
  • 子供たち二人が自分たちの関係をどうとらえているのか聞く。恋人を「友達」とは言わないように。その呼び方は二人の関係を軽んじているか、隠したがっているように聞こえる。
  • 帰省中はどのように過ごしたいか聞く。家族みんなで過ごす時間に対して二人だけの時間や空間がどのくらい欲しいか。親戚や友人にも紹介したいのか。
  • 恋人があなたや夫のことをどう呼ぶか決める。
  • 挨拶の時にハグをするのは歓迎されるか確認する。
  • あなたが二人の恋愛を応援していて、会うのを楽しみにしていると相手に伝えておいてもらう。
  • 今回の訪問を良いものにしたいから少し緊張している、と正直に子供に伝えてもいい。
  • 子供のほうには何か心配なことはあるか、どうすれば失礼を避けられるか聞く。
  • 子供は今回の帰省をどんなものにしたいのか、何を期待しているのか聞く。
  • 相手の親には会ったことがあるのか、どんなだったか、どうであったならより快適なものになったか聞く。

そして何よりも、自分自身の経験が役に立ちます。あなた自身が恋人の親に会った時のことや、恋人を自分の親に合わせた時のことを思い出してほしい、とポリーさん親子は言います。
例えば、親があなたの子供時代の恥ずかしい話をしたり、思春期に撮った写真を見せたりするのが気まずかったなら、あなたはそれを避けるべきですよね。友好的にふるまいたい、歓迎したい、応援したいと思っても、やりすぎはいけませんよね。普段通りでいいんです。
もし普段から虹色に着飾り、レインボーフラッグを家じゅうに飾っているのであれば、そうしてください。でも、同性同士の恋愛だということを大げさにとらえすぎないようにしましょう。お嬢さんのガールフレンドに心からの関心を示し、関心と質問攻めの間でうまくバランスをとってください。
相手はあなたの家にやって来る部外者にあたるわけですから、おそらくあなた以上に緊張しているはずです。完璧に振る舞えるかなんて心配は無用です。相手の記憶に残るのは、あなたが具体的に何を言ったかではなく、あなたがどんな気分にさせてくれたかです。ガールフレンドを歓迎し、受け入れてもらえたと感じさせ、そして、お嬢さんの人生における特別な人との出会いを楽しんでください!

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