タイ語は分かりませんが、中国語字幕がつけられた動画を見つけたので、それを機械翻訳にかけて、おおまかな内容を調べてみました。どの程度読み取れているかは分かりません。
冒頭で疲れた顔をしているのが主人公。彼女はモノローグで「人生のなかで自分で選べることなんてどれほどあるだろうか」と自問している。
最初のシーンは学校の応接室のような部屋。主人公が男子生徒を殴ったとして、双方の親が呼び出されたところ。画面左から、男子生徒の父親、男子生徒、主人公、主人公の母親、主人公の祖母。
ケンカの原因は、男子生徒が主人公の母親を男みたいだとバカにしたため。再び男子生徒を叩く主人公に、「女の子は手をあげてはだめ」とたしなめる母親。
「これが私のママ。同性愛者で、車の修理工で、廃品を集めるのが好きで、行動は男そのものだけど、それでも私のママ」
学校で行われる母の日の行事には、毎年、代わりに祖母が出席している。
再び応接室。母娘を罵る男子生徒の父親。母親がすっくと立ち上がり、蹴りを入れる。
「これが私の、選ぶことのできない人生」
学校の外、沈んだ様子の主人公を祖母が心配する。
祖母「どうしたの?」
主人公「ママがあんな人で恥ずかしい。おばあちゃんは恥ずかしくないの?」
祖母「私も以前はあなたと同じだった」
主人公「じゃあ、なぜママを止めなかったの?」
祖母「どうにもできないこともあるんだよ」
帰路につく車上、主人公のモノローグ。
「おばあちゃんが言うように、どうにもできないことがある。私が同性愛者のママを嫌だと思うことも、おばあちゃんがこんな娘は嫌だと思ってたかもしれないことも。そして、ママ自身、人に騙されて望まぬ妊娠をしたくはなかっただろう」
若き日の母親が祖母に妊娠を告げる回想シーン。
「あの時のママにはふたつの選択肢があった。子供をおろすか、それとも…」
母親「私、この子を産む」
「ママは選択した。ひとりでこの子を育て上げると。この子のために二倍がんばると。この子がいじめられないように。他の家庭とは違っていると思わせないように。この子のために母親と父親の二役さえ引き受けた。それが、ママの選択だったのだ」
字幕:全ての愛は甘くない。母の日おめでとう
…という、緑茶のCMでした。
YouTubeの公式動画に付けられたタイトルは「ที่ไม่หวาน เพราะมีเหตุผล แด่ทุกความรักที่ไม่หวานมาก」。おそらく「甘くないのには理由がある。全ての愛はそれほど甘くない」というような意味です。調べてみると、タイのお茶には砂糖が入っているのが普通で、無糖のお茶の方が珍しいようです。
このCMが作られた背景などは分かりませんでしたが、タイは感動的なストーリー仕立てのCMで有名だそうです。
《関連》
今年のタイの母の日には、こんな出来事も話題になりました。
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・シングルファザーが、ピンクのドレスを着て学校行事に参加した理由|ハフポスト
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