2017年6月18日日曜日

【台湾】中年ゲイ男性が語る高齢の父親との関係

台湾国旗の画像
台湾に「家的進行式」という、性的少数者と家族をテーマにした(?)団体があります。先週、動画をひとつ取り上げましたが、ほかのも面白いので、もうひとつ紹介します。中年のゲイ男性が高齢の父親との関係を語るドキュメント動画です。

親愛的爸爸
2017年 台湾
中国語と英語字幕
約3分


英語字幕を元に大まかに訳しました。


私は王増勇(王增勇)、54歳です。父と、姉が2人います。母は生前、おまえが結婚したいと思う人ならどんな人でも受け入れる、と言いました。

私自身のカミングアウトの定義は、自分がゲイだと受け入れ、そのアイデンティティと共に生きていくと決めることです。それ以前はそのアイデンティティを否定していました。

私がゲイだと父が知ったのは70歳の時。退職して5年、母が亡くなって5年経っていました。私がゲイで、すでに男性と結婚していると知って、父はとても孤独だったろうと思います。父にはそのことについて話せる相手が誰もいませんでしたから。

とても寒かった冬のことです。朝早く2人で家を出て鍵をかけ、歩き出すと、突然父が私の肩を叩いて呼び止めたんです。そして、「結婚おめでとう」と言うと、そのまま私の前を歩いていきました。父の後ろ姿を見つめていると、その光景が涙でにじんでいきました。私は父をとても愛しているのだと実感しました。

(お姉さん)弟のことはとても愛しています。彼の道のりはまだ先が長いですが、彼が自分自身の道を行き、ありのままの姿で幸せな人生を送れるようにさせてあげるのが、家族として一番大切なことです。

(王増勇さん)父はその後、認知症を患いました。いま思うのは、父が私の性的指向やパートナーを受け入れてくれるかどうかは重要ではありません。父にはそれよりも、自分が[私たちから]愛されていることを知っていてほしいです。

(お姉さん)増勇、私たちはあなたをとても愛しています。努力して、やりたいことを全部やりなさい。私たちはずっとあなたの味方だから。

(字幕)愛が家族を完成させる。家族は最後まで私たちと共にある。あなたの愛する人を支持してください。同性婚を合法化させましょう。


王増勇さんは政治大学社会工作研究所の副教授で、婚姻の平等のための活動もされているようです。

家的進行式
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《関連》
同団体が制作した動画を紹介する記事。
娘のカミングアウトを受け止めた父。その家族愛に世界が感動|BuzzFeed (2017)
【台湾】母の日に贈る涙のインタビュードッキリ(拙ブログ)

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