2017年6月4日日曜日

アネット・ベニング、トランスジェンダーの息子について語らない理由を語る

アネット・ベニングの画像
photo by David Torcivia via Wikimedia
有名人のなかには、トランスジェンダーの息子がいるシェールや、ゲイの息子がいるマジック・ジョンソンのように、親としての思いをメディアで語り、同じような親のお手本となっている人たちがいます。その一方で多くを語らないという立場をとる人もいます。たとえば、俳優のウォーレン・ベイティとアネット・ベニング夫妻です。

2人の第一子、スティーヴン・アイラ(Stephen Ira)は、トランスジェンダー活動家やライターとして活動しているゲイのトランスジェンダー男性(*)です。
《参考》 Stephen Ira | about.me
* 女性として生まれ、現在は男性として生活していて、恋愛対象は男性(同じくトランス男性のパートナーがいる)

2010年頃にはトランスジェンダーだと公表していたようです。ただ、夫妻はもともと私生活をあまり公にしないそうで、彼についても語ることはありませんでした。彼もまた親の話はしなかったため不仲説もあったようです。
夫妻は名指しで批判されたこともあります。息子について語らないのは彼を受け入れていないからではないか、という内容です。
それに対し、スティーヴンはツイッターで反論しています。
.@mikeymusto I appreciate your kind words about me, but please leave my family alone. We like our privacy. My parents and I are doing great.
Twitter
“僕のことを心配してくださるのはありがたいのですが、僕たち家族のことはそっとしておいてください。僕たちはプライバシーを大切にしています。両親とはうまくいっています。”
《参照》Warren Beatty and Annette Bening urged to be more publicly supportive of trans son |Gay Star News (2015)

2016年、ウォーレン・ベイティが初めて息子について発言したと話題になりました。記事では、稀代のプレイボーイとして名を馳せた"性の革命児"の息子もまた革命的だと紹介し、ベイティの短い発言を載せています。
“He’s a revolutionary, a genius, and my hero, as are all my children,” Beatty says when asked about Stephen.
Six Decades In, Warren Beatty Is Still Seducing Hollywood |Vanity Fair (2016)
“彼は革命家で、天才で、私のヒーローです。ほかの我が子たちと同じようにね。”

そして先日、アネット・ベニングもインタビューで息子について、おそらく初めて触れました。
Annette Bening: ‘Women don’t have to do everything’ |The Guardian (2017)

記事の最初の方で彼女は、「ショービジネスの女性は仕事だけで評価されることがなく、必ず子供のことを聞かれる。男性は聞かれないのに」という話をしています。それにもかかわらず記者は息子の性別移行について聞き、ベニングににらまれてしまいます。記者は自身の反省(?)も書いています。
For a moment I feel out of order. I would never ask the mother of a cis child such an invasive question about parental concerns.
“一瞬、自分が場違いな感じがした。親の心配事に関するこんな立ち入った質問は、シスジェンダー(*)の子の母親には決してしなかっただろう。”
* シスジェンダー:トランスジェンダーの対義語。出生時に診断された性別と性自認が一致していること。

ベニングはその質問にこう答えています。
“I’m super proud of him,” she says. “I leave it to him to say what he wants about his life. I don’t think it’s fair for me to speak for any of my kids, quite frankly. Not that I wouldn’t like to, ha!” she laughs.
“彼のことはすごく誇りに思ってる。彼が自分の人生について言いたいことは彼に任せてる。子供たちのことを私が代わりに話してしまうのは、率直に言ってフェアじゃないと思う。話したくないわけじゃなくてね(笑)”


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