StoryCorpsでは、LGBTQの物語は歴史記録から排除されてきたとして収集に力を入れているようです。
今回取り上げるのは、レズビアンのおばあちゃんと孫娘の会話です。
おばあちゃんにあたるMJさんは1990年代初頭にパートナーの女性と出会いました。パートナーには男性と結婚していた時にもうけた子供たちがいて、やがて孫も生まれます。孫のグレナさんは収録当時12歳でした。これは10年前の音声ですが、最近はこのように祖母や祖父が同性カップルだという話も増えています。
文字起こしを元に大まかに日本語にしてみました。
Genna Alperin and MJ Seide | Story Corps (2010年) 音声と文字起こし付き
孫娘:これまでの人生は思い描いていたものとどう違う?
祖母:自分の人生は生きる価値のないものなんだろうと思ってた。自分の人生にずっと穴が開いていた。というのも、ゲイの自分が誰かと手をつないでビーチを歩けるなんて思いもしなかったから。でもママミーに恋した時、この人が私のソウルメイトだと分かった。言ってることわかる?
孫娘:うん。
祖母:それまでそんなふうに感じた人はいなかった。それで、ママミーがジムおじいちゃんと離婚した後、ママミーはあなたのお母さんにとても正直だった。自分には恋してる人がいて、その人は女性だと言ったの。誰かが堂々と私のことを愛してると言ってくれたのはその時が初めてだった。あれはそれまでの人生で一番幸せな瞬間だった。それからあなたのママやジャスティンおじさんと仲良くなった。私に両手で抱ける家族ができたなんて楽園のようだと思った。
孫娘:今まで話したことがなかったけど今話したいことってある?
祖母:あなたとはたいていのことは話してるからね。でも私がゲイだという話をちゃんとしたのは初めてだから、あなたに聞きたいのは、ゲイのおばあちゃんがいるのは恥ずかしい?
孫娘:いいえ。そこは大事じゃない。大事なのは私とおばあちゃんの関係だから。
祖母:あなたのことをどんなに愛しているかはいつも話してるけど、その愛の深さをあなたが本当に理解できているかは分からない。あなたが私の人生にいることになるなんて思いもよらなかったし、今ではあなたなしの人生は想像できないから。あなたのことはすごくすごく誇りに思ってるよ。
(中略)
孫娘:[涙声で]えっと、あなたは私のお気に入りのおばあちゃんだよ。一緒にいろんなことをしてくれる。一緒にジェットコースターに乗ったり(二人の笑い声)、一緒にポーカーをしたり(二人の笑い声)。ここにおばあちゃんがいない人生なんて考えられない。
祖母:あなたが大好きだよ。
孫娘:私も大好き。