ホットラインには親からの相談も寄せられます。同団体では母の日に合わせて記者発表会を行い、「親からの相談トップ5」を公開しました。
20160505【新聞稿】【不一樣的母親,一樣的母親節:送給同志父母的三份母親節禮物】記者會 |台灣同志諮詢熱線協會
1. 子供を異性愛者に戻せる?
2. うちの子はHIVに感染するの?
3. 子供の老後はどうなるの?
4. 私が何か間違ったことをしたせいなの?
5. 私の親にはなんて言えばいい? 親戚からはどう思われるだろう?
おそらく多い順に並んでいると思われます。同性愛・両性愛限定なのかトランスジェンダーなども含むのかは不明です。
3番目の老後に関しては、「結婚せず子供も持たないなら、誰に世話してもらうの?」といった意味かと思います。
この話題を取り上げたイギリスのLGBT情報サイト「Gay Star News」の記事から少し引用します。
同団体は、こうした不安は社会規範に従おうとする重圧から来るものだと指摘する。Top 5 questions parents ask themselves when their kids come out to them |Gay Star News
そのため、子供からカミングアウトされた親が「異性愛者に変わる」という選択肢があるかどうか考えるのは珍しいことではない。
(中略)
[団体のコメント]「実際には多くの親御さんが、心の中では、子供を完全に受け入れる準備ができているのです。しかし、なかには、子供が異性愛者に変わるかもしれないというわずかな希望を持ち続けている人もいるでしょう。こうした思いは家族が互いに心を開き絆を深めることの妨げにしかなりません。」
言うまでもなく、カミングアウトを平然と受け入れているように見える親のなかにも、ひそかに自分を責めていたり、絶えず子供のことで心配し続けている人がいる。
団体はこうした心の葛藤に直面している「クローゼット親[櫃父母]」に、カウンセリングやサポートグループ、掲示板などで助けを求めるよう勧めている。
《元記事》
孩子是同志「能不能改回來?」 父母擔憂排名第一 |ETtoday
もうひとつ、台湾の英字新聞「Taipei Times」では「相談内容トップ5」に関してこう伝えています。
こうした疑問やそれに続く重圧のせいで、親が子供を叱りだしたり、移動の自由を制限したり、人間関係をコントロールしたりしようとすれば、親の意図とは正反対の結果を招くおそれがあり、親子関係はより緊迫する可能性がある。
また、記者発表会ではゲイの子を持つ母親も登壇し体験を語りました。
リン[仮名]は10年ほど前に息子がゲイだと知ると、自分を責め7日間泣いて苦しんだ。そして考えを変えた。リンさんは今では自分の経験を生かして同じような親のサポートをしているようです。ただし、登壇したもう1人の母親ジュディさん(仮名)は、そうした活動は「自分の心が十分に強くなるまで待って」とアドバイスしています。
「こんなふうに泣いていて息子のためになるの?私のためになるの?」
彼女は息子を支えようと決断し、息子の彼氏のことを知ろうと積極的に働きかけ、さらにはゲイバーがどんな所か息子に連れて行ってもらうことまでした。
My child is gay 我的孩子是同志 |The Taipei Times
《日本の相談窓口リスト》
相談窓口のリスト |虹色-LGBT特設サイト(NHKオンライン)
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