2015年2月3日火曜日

スカートを愛する息子たち 息子を愛する父親たち

新生児と一緒に眠る男性の画像
※画像はイメージです
2月2日付の日本版ハフィントンポストに「息子がドレスを着たって、私はかまわない」というブログ記事が掲載されました。もともとは2014年の7月に別のサイトから米版ハフィントンポストに転載された記事です。
ちなみに、インスタグラムのセスさんのアカウント(@sethmenachem)でも息子さんの写真が見られます。

半年前の記事がなぜ今翻訳されたのか、どういう基準があるのか分かりませんが、気になっていた記事だったのでこうして日本語で読めるようになってよかったです。
米版ハフィントンポストには「Gay Voices」というLGBT系のカテゴリがあり、1日あたりの掲載数も多く、LGBTの子を持つ親の読み応えあるエッセイも豊富です。そうしたものが少しでも多く日本語で読めるとうれしいです。

フランスのミュージック・ビデオ

この記事を読んで思い出したのが、Hollysizの「The Light」という曲のプロモーション・ビデオです。
Hollysizというのはフランスの女優セシル・カッセルの歌手名義だそうで、彼女は映画『ブラック・スワン』のヴァンサン・カッセルの妹でもあります。

歌詞は「自分の中に光を入れ、自分自身を解き放とう」というような内容です。英語や日本語の情報がほとんど見つからず、ビデオの背景はよくわからなかったのですが、ストーリー仕立ての力強い作品になっていますので、ぜひご覧ください。


ドイツの「スーパーヒーロー」

もうひとつ、2012年にはドイツのニルス・ピカートさんが話題になりました。スカート好きの息子が安心して好きな服を着られる環境を作ろうと、自らスカートをはいてみせたというお父さんです。

愛情も生き方も言葉でなく行動で示す! 女の子の服を着たがる息子のために父親がとった行動を世界が絶賛 |ロケットニュース24
Dad Wears Skirt In Solidarity With His 5-Year-Old Son (PHOTO) |The Huffington Post

上記の日本語記事に補足すると、息子さんは保育園でスカート姿をからかわれたようで、一時スカートをはきたがらなったそうです。しかし、父親と一緒なら安心だからでしょうか、「パパは今度いつスカートはくの?」と聞いてきます。
その後、親子でスカートをはいて歩いていると、通りかかった女性が2人から目を離せずにそのまま街灯に激突!ということがありました。それを見た息子は大爆笑。それが何かのきっかけとなり、翌日から再びスカートをはけるようになっていきました。
記事掲載当時は、周りの男の子にからかわれても、「お前らはスカートやワンピースを着る度胸がないだけだ。お前らのパパにだってそんな度胸はないんだから。」と微笑んで言い返すまでになったそうです。
This Dad's Superhero Cape Is A Skirt |Buzzfeed
↑「パパのスーパーヒーローマントはスカート」

このニュースが世界のあちこちで話題になった後、ニルスさん自身もハフィントンポストでエッセイを書いています。
たかがスカートをはいただけで世界的なニュースになったことに戸惑いながら、自分は親としての務めを果たしているだけだと言います。
うちの子には、幸せで自信と思いやりのある人になってくれたらそれでいい。その過程でどんな選択をしようと、自分自身や他人を傷つけない限りは、どうだっていい。そうした選択ができるというのは彼の生得権であり、彼の誕生に責任がある私は、その権利が行使できるよう彼の力になるべきなのだ。
Around The World in a Dress and a Skirt |The Huffington Post

《参考リンク》
「性別不合」の子どもとは? |NPO法人 LGBTの家族と友人をつなぐ会

《ブログ内関連ページ》
うちの子、性同一性障害?と思ったら
[体験談]スカートをはく息子と「男らしい」父の役目