米版ハフィントンポストに掲載されたエッセイを紹介します。(一番下の関連リンクもご覧ください)
マーシャさんは日本の伝統や精神を大事にする家庭で育ったようです。子供の頃は、お正月になると親戚の家でおせち料理を囲み、大人たちが語る祖父母や先祖の話に耳を傾けました。
「私たちは侍の時代にまでさかのぼる、裕福で非常に尊敬された家名を持つ一族だ。」
長老然とした人物が誇らしげに力説する。
「私たちの家に尊敬と名誉をもたらすことだけをしなさい。決して恥をもたらさぬように。」
後に子供にレズビアンだと言われた時、聞こえてきたのは、あの「家に恥をもたらすな」という声でした。
しばらくの間、その言葉が私をクローゼットに押し込め、私はレズビアンの娘のことを包み隠さず話すことができなかった。一族の名を汚したひどい母親だと非難されるのを恐れたのだ。
しかし、PFLAG(レズビアンとゲイの親・家族・友人の会)のサポートを受け、LGBTについて学び、同じ立場の母親たちと話す中で、自分は何も間違ったことはしていないと理解していきます。
私の子はこうなるように生まれたのだ。選択しなくてはならないのは私の方だった。この子を愛するか、恥じ入るか。私は愛を選んだ。
後に娘が息子へと性別移行した時も、恥について語るあの声が、時折どこか遠くで聞こえた。しかし私は以前より賢く、強くなり、恐れることも少なくなっていた。
今では、マーシャさんは自分の経験を生かし、この世界がLGBTにとってより安全な場所になるよう活動を続けています。
私の両親は今の母親としての私を誇りに思ってくれるだろう。ご先祖様たちも「一族に名誉をもたらしてくれて良かった」と静かにうなずいてくれているだろうと心から信じている。'She Brings Honor to Our Family, and That Is Good' |The Huffington Post (2013)
この記事のコメント欄で、日本人の母親とゲイの息子を持つ女性が自身の体験を語っていました。それも簡単に紹介します。
私の息子がゲイだということを、日本人の母にどう話していいか分かりませんでした。涙があふれて思うように言葉にできない私に、母は、「ジャスティンは完璧な子よ。泣くのはやめて強くなりなさい。あの子はただでさえ大変な人生を送っているかもしれないんだから。彼のために強くならなくちゃ。」と言いました。
息子の背後で彼を支える私が岩だとすると、「バーチャン」は山のようです。
以前、私の姉妹が未婚の母となった時、母はそのことを恥じて自分の親友にすら話しませんでした。でも今は母もたくましくなり、私の味方でいてくれるんです。
《関連リンク》
・アシュリーからエイダンへ |The Rafu Shimpo
・アイズミさん:性転換した息子との半生語る |The Rafu Shimpo
・アジア・太平洋諸島系アメリカ人のLGBTQを支援するNPOのウェブサイト
The National Queer Asian Pacific Islander Alliance (NQAPIA)
・アイズミさん夫妻が出演するNQAPIAのメッセージ広告(日本語字幕付き)
PSA Japanese |YouTube
・NQAPIAが19カ国語で作成した家族向けメッセージ(画像ファイル)
家族は家族。... 愛は愛。... |NQAPIA