Photo by Matt Carman |
育児サイト「Parenting.com」に載っていた6つのアドバイスと記事の一部を(かなり雑に)紹介します。
文中にはジェンダーに関する記述やアドバイスも出てきますが、元の記事に沿って同性愛と表記しました。
Could Your Child Be Gay? |Parenting.com
"多くの親にとって、自分の子供が同性愛者かもしれないと考えるのは笑いごとではありません。同性愛は人間が経験するごく自然なことだと信じていても、自分の子供が差別に直面する心配があります。同性愛者を尊重していても、家族の誰かがゲイだと知るとショックを受けたり、友達には知られたくないといった感情が頭をよぎり、そんな自分に驚いたりします。病気や性の乱れに関する誤解が不安を増大させるかもしれないし、同性愛は罪だと考えているかもしれません。"
性的少数者向けの電話相談を行っているThe Trevor Projectには親からの相談も寄せられます。プログラム・ディレクターのフェニックス・シュナイダーさんは、親たちは怯えながらも子供の幸せと将来を案じていると言います。
「親自身もカミングアウトの過程をたどることを迫られます。それは喪に服すようなものです。これからも持ち続けるだろうと思っていたものを失うのですから。」
子供が同性愛者だと判明した場合、自分の子育てに問題があったのではないかと責任を感じる親は多いようですが、ノースウェスタン大学の心理学教授、J・マイケル・ベイリー博士によると、子供を同性愛者にしたり異性愛者にしたりできるという研究結果は無いとのこと。
「親にできるのは、子供を幸せにするか不幸にするか、です。それだけの力はあるのです。親から問題ありと思われた子はみじめな子供になる傾向があります。」
小児科専門誌『Pediatrics』に掲載された調査では、家族から強く拒絶された同性愛や両性愛の若者は、中立的な扱いや軽い拒絶を受けた者と比べて、大うつ病を患う可能性が6倍近く高く、違法薬物の使用や無防備なセックスを行う可能性は3~5倍高いのだとか。
とはいえ、幼いうちは、時々異性のように振る舞ったり、同性に魅かれているような行動をとることは珍しくないそう。
セックスセラピストで教育者のエリカ・プルハー博士によると、自分がどんな人に魅かれるか分かり始めるのは9~12歳頃からで(個人差は大きい)、幼児期に見せる性的な行動は、同性に対するものも含め、将来の性的指向を決めるものではないそうです。
幼い頃から同性に魅かれていたという同性愛者もいますし、初恋の相手は異性だったという話も聞きますから、子供の言動から同性愛者かどうか(あるいはトランスジェンダーか)を判断するのは難しそうです。
それでも、子供が幼いうちからできることはある、と記事では提案しています。それは、子供が自分を偽らずに済む安全な家庭や親子関係を築くことです。
- 同性愛の親戚や友人、芸能人のことを肯定的に話題にしよう。あるいは、同性婚のようなニュースについて話し、敬遠する話題ではないと示そう。
- 性別を限定しないおもちゃを置こう。子供がそのおもちゃを「女の子向け」「男の子向け」と分類するようなら、それはどういう意味か話し合う機会にしよう。
- 部屋の中に同性愛者がいると想定しよう。つまり、同性愛者を笑い物にしたり侮蔑するような言葉を使わないこと。もし子供の兄姉がゲイという言葉を否定的な表現として使ったら、別の表現を提案しよう。
- 子供が必要としている、あるいは子供のためになると感じたら、年齢に合ったジェンダーやセクシュアリティの本を子供の手に取れる所に置こう。
- 例えば、娘さんが男の子に見られたいと言ってショートヘアーにしても、翌週には気が変わっているかもしれない。親は柔軟に対応し、子供が解決していくのを助けよう。性や愛、親密な友情について知りたいことがあれば、安心してなんでも話していいと知らせよう。
- 「あなたがどんな人であろうと変わらずに愛し続ける」とはっきり伝えよう。それが、親が子に贈ることのできる一番大切なメッセージです。
《関連資料》
・Our Daughters and Sons |NPO法人 LGBTの家族と友人をつなぐ会
・【資料】カミングアウトされた親のたどる心理プロセス |臨床の話
・Family Rejection as a Predictor of Negative Health Outcomes in White and Latino Lesbian, Gay, and Bisexual Young Adults |Pediatrics (文中に出てくる調査というのはこれかな?)
《ブログ内関連ページ》
・子供から同性愛をカミングアウトされたら
・うちの子、性同一性障害?と思ったら