高齢者支援団体「AARP」のサイトでLGBT活動家のジョーン・ガリーさんが「よくある質問」に答えています。
以下の記事から一部紹介します。ここで想定されている子供は高校生くらいです。
How to Support Your Gay Child |AARP (2011)
ジョーンさんは女性のパートナーと30年連れ添い、母親として3人の子供を育てています。
また、同性愛の子供と親の立場の両方を知る者として多くの親や祖父母の相談を受けてきました。相談に来る親のほとんどは、子供の力になりたいと思いながらも、どうすればいいか分からずにいるのだそうです。
Q. 大変だと感じる時があります。
ジョーンさんは「子供は親に正直でいてほしいものだ」と信じています。そのため不安や戸惑いを子供に伝えても構わないと言います。ですから、うちの16歳の娘が鼻ピアスを開けた時もそうしました。
「ママ、これ気に入らないの?」
「ええ、ほんと言うと好きじゃない。」
気に入った振りをすることだってできました。(まあ、ステキ!私もクリスマスに開けようかしら!)
でも、正直であることを選びました。あなたもそうしてください。そもそも、お子さんだって[カミングアウトという形で]そうしたんですから!
Q. 息子が感謝祭にデート相手を連れてくるといいます。ショックでどうにかなりそう。
我が子が恋人を初めて家に連れてくる時、その相手が同性であれ異性であれ、親が居心地の悪い思いをするのは仕方がないこと。こんなときの親というのは、ぶざまな姿を見せる宿命にあるのだとジョーンさんは言います。とはいえ、親戚が一堂に会する場合は対策を立てたほうがよさそうです。
「あの子は友達なの?それとも友達の友達?」
こうしたキッチンのおしゃべりにどう対処したらいいか、事前にお子さんと作戦会議を開きましょう。あなたの戦略がユーモアを含んだものならば、なお良し。
Q. 子供が同性愛者だと分かった今、同性同士のお泊まり会が心配です。
一緒にお泊まりする相手が誰なのかちゃんと聞いて、同性か異性かにかかわらず、親としての道徳観を元に判断するよう提案しています。たとえば、16歳の娘さんとボーイフレンドがあなたの家に泊まるとします。あなたの中の「悪い育児警報」が鳴り響くようなら、同性愛の息子さんや娘さんにもそれと同じ基準を適用しましょう。
Q. 子供の力になりたくて仕方がありません!カレンダーにはもう次のプライド・パレードの開催日に丸が付いています!
ジョーンさんは干渉しすぎるのもよくないと言います。[親の]あふれる思いというのは、それが善意であったとしても、一般的に言ってティーンエイジャーは嫌がるものです。
Q. 娘がレズビアンだということにようやく慣れたと思ったら、今度は男の子を好きになったって言うんです。
ジョーンさんによると、そもそもティーンエイジャーというのは予測不能で、特に今の子たちは昔の子よりも流動的に生きています。親は子供の主体性を尊重しつつ見守ろう、と語っています。セクシュアリティというのは、ティーンの子が対処するにはひどく複雑な問題です。シートベルトをしっかり締めて、あなたがちゃんと付いていると[ハンドルを握る]お子さんに伝えてください。
こうしたアドバイスを通してジョーンさんが伝えているのは、親子同士で誠実に、正直に話し合える関係を築くことの大切さです。
私たちは子供たちに、話してほしい、誠実であってほしい、正直に生きてほしい、と望んでいます。カミングアウトして包み隠さず生きるというのは、まさにそういうことなんです。おめでとうございます。素晴らしいお子さんに育てましたね。さあ、今度はあなたの番です。素晴らしいお子さんには素晴らしい親が必要です。誠実で、協力的で、オープンで、カッコいい支持者になってください。そして、お子さんが幸せになれないと気に病むのをやめて、幸せになれるという前提から始めましょう。How to Support Your Gay Child |AARP (2011)
《関連資料》
・相談窓口のリスト |虹色-LGBT特設サイト(NHKオンライン)
・Our Daughters and Sons |NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会
・【資料】カミングアウトされた親のたどる心理プロセス |臨床の話
《ブログ内関連ページ》
・[Q&A]10代の同性同士の恋愛。親としては心配です
・[Q&A]バイセクシュアルの子供のことを親戚や友人にどう伝えたらいい?