2014年3月13日木曜日

子供から同性愛をカミングアウトされたら

抱き合う親子のイメージ画像
Photo by Sarah Gadd
我が子から同性愛者だと告げられたら、親はどう対応すればいいのでしょうか。
アメリカ、オレゴン州のニュースサイト「OregonLive.com」の記事で、ポートランドの児童青年精神科医Dr. ジェシカ・ヒッチコックが答えています。
想定されている子供は中高生くらいでしょうか。なお、原文に忠実な翻訳記事ではないことをご了承ください。

When a child comes out: tips for parents |OregonLive.com (2011)

子供が同性愛者であろうとなかろうと、子育ての本質は変わらないとドクター・ヒッチコックは言います。
「子育てというのは、子供の本当の姿を学ぶ絶え間ない過程であり、親の勝手な期待を手放していくことです。子供のセクシュアリティや人間関係についても同様です。」
「お子さんが変わってしまったわけではありません。目の前にいるのは今までと同じ人物であり、ただあなたが別の一面を知っただけなのです。」

コミュニケーションを絶やさない

親にカミングアウトするというのは、性にまつわる話を親とするということ。どんな子供にとっても難しいものです。その意欲は親にとって「贈り物」です。
コミュニケーションをとることは、進学や就職で親元を離れた子供との間でも重要です。子供に問いかけ、愛のある関心を示しましょう。
例:「誰かデートしてる人はいるの?」「セーフセックスを心がけてね。」「お互いを敬い、愛情を注ぎ、支え合える恋愛をしてほしい。」

子供の味方だと強調する

まずは「愛しているよ。私の子だもの。」と、変わらないサポートを言葉にしてください。カミングアウトの内容がなんであれ、親はありのままの自分を愛してくれるのだと知ることが子供には必要です。

価値観を再確認する

あなたの価値基準は変わりません。10代の子同士がセックスすることをどう思いますか?答えがノーなら、やはりノーなのです。これまでと変わらず親として子供を導く必要があります。
同性愛者に対して偏狭な発言をしていたり、否定的な行動をしていた場合は、それこそ親として絶好の教育の機会です。間違いを犯した時にどう振る舞うか模範となる時です。偏見を認め、どんな人も敬意と尊厳をもって接すると約束しましょう。

同性愛は根本的に間違っているのだからそんなことはできないと言うなら…
・黄金律を思い出してください。自分がして欲しいように相手にも接するのです。
・憎しみに価値はないと心に留めてください。お子さんは今もあなたの子供です。
・あなたのジレンマを信頼のおける指導者やアドバイザーと話し合って下さい。または、サポートグループで他の親たちと会い、子供の性の現実と信仰との間でどう折り合いをつけているか聞いてみましょう。
・自身の不快感と向き合い、性急な行動は控えましょう。同性愛に難色を示していても、同時にお子さんのことは愛しているはずです。

驚いたっていい

同性愛者は人口統計学的に数が少ないことから、異性愛の親の大半は子供のカミングアウトを予想していません。「これから学ばないといけないことがあるようだ」とお子さんに言ってもいいんです。

子供にも分からないことがある

子供たちはこの世界で性的な存在としてどう生きていけばいいのか知りません。親は子供に問いかけたり、質問を促すことで力になれます。
同性愛の子供の最大の疑問は「自分自身のままで受け入れてもらえるのか?」ということ。でもその懸念は異性愛の子供も同じです。体育会系の家庭の中の読書好きな子とか、その逆とか。あなたの個性を受け入れるよ、と合図を送るように、性的指向を受け入れるという合図を送ってください。

思い込みを見なおす

子供からカミングアウトされたばかりの親は、「これで孫を抱くこともなくなった」と思うかもしれませんが、それは必ずしも真実ではありません。自分とは違う人々に対するあらゆる先入観を検討する必要があります。

サポートを得る

全米規模の非営利団体PFLAG(レズビアンとゲイの親・家族・友人の会)では活発に集会が開かれ、100%子供を応援している親も、恐れを抱いている親も歓迎しています。

子供を守る

同性愛がいまだ背負っている社会的汚名のために、性的少数者の子たちの自殺リスクはそうでない子供たちよりずっと高いと推定されています。異性愛の子の自殺を予防するのと同様に同性愛の子の自殺を予防しましょう。子供と関わり合いを持ち、サポートを見つけてやり、家庭は安全で愛情を受けられる場所だとしっかり理解させるのです。

《関連資料》
相談窓口のリスト |虹色-LGBT特設サイト(NHKオンライン)
【資料】カミングアウトされた親のたどる心理プロセス |臨床の話
Our Daughters and Sons |NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会

《ブログ内関連ページ》
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